お侍様 小劇場
 extra

   “仔猫も つぃーとする?” 〜寵猫抄より


ぃびんぐの窓のそばは、ほこほこと暖ったかい。
おコタのお布団もふわふわになるほど いいお天気のときでも、
でもね、
窓の がりゃしゅが ちめたかったりしゅるのね。
起っきしてすぐは とくに冷や冷やなんで、
ご飯食べてすぐは おコタ好ゅき好ゅきしてゆのね?
そいから、
とたんとたんって、ほかほかの中 窓まで行って、
シチがお花とお話ししてゆの、じっといい子で待ってゆの。
まだかなまだかなって、お顔かっくりこしてりゅと、
こっち見たシチが、や〜んとかゆって、
いしょいで戻って来てくぇるのね?
それか、シュマダが起っきして来て、
そ〜れって抱っこしてくりるから、
おヒゲを ちょみちょみってして遊んであげゆと、
シチが おー急ぎで戻ってくゆのvv



     ◇◇


島田せんせえのお宅のこの頃は、
寒の戻りが厳しい朝でも、さっさか目覚める敏腕秘書殿のお陰様、
規則正しい日々が回ってる。
島谷せんせえ自身からして、
締め切りがギリギリまで迫らにゃ筆を執らないタイプじゃあないので、
さほど厳しくお尻を叩いたりする必要はないけれど。
逆に言えば、締め切りなんて関係なく、
突然何か降りて来たからと、
書斎へお籠もりしちゃうことが、ままあったりするお人。
なので、予告もなしに書き物モードに入ってしまうと、
夕餉の席にもやって来なかったり、
時間も忘れての夜なべ仕事になってたり。

 “このところは、晩から明け方にかけてが冷えるからなぁ。”

油断をすると足元から、じわりじわりと冷えが上って来たりするので、
膝掛けを忘れないで下さいませよと、
口うるさく思われてもいいと、毎夜言っているのだが。

 『なに、少しくらい寒いほうが集中も途切れぬのでな。』

お気持ちは判らないでもないのだが、若いころはともかく最近は、
そう、コタツを出すよになってからは、
ご本人がお思い以上に、
温ったかい環境に身を置いてる機会も増えているのにね。
そこへ、修行もどきの集中喚起、
足元冷やすような真似をなさっては、

 “……でもなぁ。”

何ということもなくの想いを巡らせていた七郎次、
ふと、その手が止まり、
一番新顔の小鉢、淡い紫のプリムラを見下ろしながら、

 “若いころとは違うのですよ、とは……。”

言い難いよなぁなんて思いつつ、
どうしてだろうか、じわじわと頬が赤くなってゆく辺り、

 “…えっとぉ。//////”

一体何を思い起こしているのやら。(苦笑)

 「  ………、え? あ・久蔵、呼んだかい?」

はっと我に返ってから、
横手のリビングの掃き出し窓越し、
小さな坊やがこっちを見ていたのへと気がついて。
あわわと、手元ならぬ態度が不如意になってたら世話はない。
ガーデニング用のエプロンと軍手を外し、
ポーチの隅にある水道で手を洗い、
ひゃあ冷たいと肩をすくめながら、それでも丁寧に清めてから、
やっとのことリビングへと戻って来たお兄さんへ、

 「みゃうにぃvv」

金の綿毛を透かして、真っ赤なお眸々があどけなくも見上げて来、
にゃは〜っと微笑いつつ、
ふんわりとした印象のお顔ごと、ひょこりと小首を傾げる稚さには、

 「〜〜〜〜〜〜vv //////////」

今年も絶好調継続中らしいです“惚れてまうやろ”は。




       ◇◇



あのねあのね、このごろね、お外で何だかいいによいするの。
ううん、シュマダとシチの“好き好き”のによいじゃなくって、
こりはお花のによいなの。
シチとお買い物にゆくとき通るお家の、白いモクレンとも違くって。
あかむらしゃきのつぼみがネ、甘い甘いいいによいなのね。
みゃう?って、これなぁにってシチにゆったら、

 『じんちょーげってゆうんだよ』って。

そーよ、
時々だけれど、シチったらキュウの訊いたこと、ちゃんと判ゆの。
シュマダはまだまだ じぇんじぇんダメダメだけれど、
シチは“愛のちからですよぉ”ってゆってて、
そいで ちゅーじるのだって?
今日はササミじゃなくてケンタッキの気分なのってゆーのも、
わんこのでーぶいでー観たいってゆーのも、
ちゃんとちゅーじるのよ、しゅごいでしょ?
そいでねそいでね、

 『ジンチョーゲが咲いたら次は桜だよ?』って。

あのヒラヒラいっぱいぱい咲く、きれぇな桜だよって。
うあぁって、
お眸々 大っきく開いて、しゅごいねぇってしたら、
うんうんって微笑ってくりたのよ?

 『そうだよ。
  暖っかくなったら、
  キュウゾウくんもたっくさん遊びに来てくれるよ。』って。

そか、春って いいことばっかなんだvv
早く はゆになんないかなぁ…♪





   〜Fine〜  2011.03.23.


  *うあ、すぐ前のお話が猫の日ですか。
   ご無沙汰しておりましたね、久蔵ちゃん。
   今年の春もなかなかやって来ない“焦らし”を既に見せており、
   寒がりの島田せんせえには、
   今年もまた、
   久蔵ちゃん以上にコタツが手放せない春になりそうですね。

  *いつもお世話になっております、藍羽様のところの日記を拝見し、
   ご近所の白いモクレンが満開だとのことで。
   でもでもあれれ?
   ウチのは赤いのなんですが、まだまだ蕾も小さいし、
   例年のこととして、下手すりゃ桜より遅いんですよね。
   それを母に言ったらば、
   『ああそうやろな、モクレンは白い方が早く咲くし』とのこと。
   色でこんなにも違うもんなのね。
   島田さんチのモクレンも赤いほうなので、
   残念、まだ咲くまでには至ってないようです。
   その分、沈丁花が咲いておりますので、
   よろしかったら、また遊びに来てやってくださいませね?

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